×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

ツツイの中国旅行記 part.1

 

『はじめに』

 

 

  僕は別にそんなに中国人が好きでもない。

 

 

人種どうこうの話は荒れることが多いし、あんまり話したくもないけれど、国によって個人の性格に大きな違いがあるのだから好くも嫌うもあって当然な話だ。金閣寺で馬鹿騒ぎして自撮りする日本人の大人はそう多くいない。それならなぜ中国に取り憑かれているかと問われると僕もわからない。多分、これは多分、食ったものをそのままにしておいても、道でビールを吹きこぼしても、タバコを吸ってポイ捨てしても、ATMから偽札が出てきても、平然と過ごしている「個」の強さに惹かれている。自分がよければそれでいい。そんな国もモラルを整えようとしているが(やらなくていいのに)僕はこの雑に混沌としてしまった中国の呪縛から逃れられなくなっている。ギスギスとした日本を出て五時間、成都の空港を出てタバコを吸い、たまたまできた友達とお別れしたあと、本気で床にぶん投げた。色々な思いを込めて。

 

 

 

 

 

『vs四川航空』

 

 

 

20:20成田発・0:20成都着の飛行機を予約した僕は、18時過ぎに成田空港に到着した。空港に来るまでには公共料金を払い、退職の事務処理をし、ゴミ出しをし、完璧なスタートを切った。相変わらずのドヤ顔で総武線に乗り込み、成田空港第一ターミナルを飛び降りた。目指すは四川航空のカウンターだ。

 

 

 

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空港に着いたが、チェックインはできなかった。

 

 

 

 

 

 

中国のアプリで「ctrip」なるものがあるのだけれど、いわゆる旅行比較サイトのようなもので、日本版は「Trip.com」という名前で運営をしていたりする。僕はそこが中国関係で最もコネクションが強く、値段が安くなるのを感じていたからそこから予約をした。予約の際に名前を入力したりするのは当然のことで、パスポート番号と名前をアプリ上で入力を行なった。結果、僕の名前はこのように登録していた。

 

 

 

 

 

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よく見てくれ。

僕は「筒井」TSU TSU I

登録名は「ツスイ」 TSU SU I

 

 

 

 

 

僕は四川航空のカウンターの女性に「どうにかして乗らせてくれ。困る。」と迫るが「同一人物ではない可能性がある。」と一刀両断され、人生で初めて「責任者出してください。」と伝えた。スーツを着た偉そうな(偉い)人が登場し、事の経緯を伝えるも「キャンセルして新しく取るしかありませんね。」の一点張りを喰らう。「明日の朝の便は!?」と問うと「四川航空は火曜のフライトが無い。変更についてはCtripに聞いてくれ。」とのこと。そうなると中国内での飛行機移動やホテルが全部狂い出してしまう。いやその前に僕が狂ってしまう。念のために四川航空東京支店に電話をしてみたが「本日 の 業務 は 終了 して おります。」と冷たいアナウンスが流れ「Ctrip」に電話するも「航空会社さんに聞いてください。」と絵に描いたような、たらい回しをいただいた。たらい回しどころか、A地点とB地点を往復してるだけだ。

 

 

改めて前述の「Ctrip」を使い調べると翌日(4/2)中国南方航空で朝8:50のフライトがあった。往復で1.5万ほど値段は上がるものの、ここまできたらヤケクソである。即クレジットを切り、名前の表記が「TSUSUI」になっていないか五回ほど確認してから予約をした。その後、僕の取った行動は下記の画像の通りだ。飲むしかねえ。

 

 

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『謎の男 サントス』

 

 

 

ロビーで一夜を明かそうと寝る準備をしていたら、後ろにいた男が声をかけてきた。

 

 

 

 

「コーヒー イル? ナチュラル ブラック 」

 

 

 

 

マジで言っちゃ悪いけど明らかにクスリキメてそうな風貌だったから断りたかったが、断るわけにも行かず、アツアツのコーヒーをガブガブ飲んだ。日本語はペラペラだったその男の喋り方はボビーオロゴンさながらで、落とし穴とかに落ちた後、「フザケンジャネーヨ」って言ってそうだった。コーヒーで見事に目が覚めた。その頃、僕のハイボールが無くなる間際くらいでその男はワンカップ大関を一気飲みしていた。こいつはヤバイヤツだなと、経験から来る直感がバリバリ働いたが、なんだかよくわからないけれど、気づいたら僕とそいつは肩を抱き合ってウイスキーをコンビニで買い、アイスコーヒーのカップにコーヒーを入れず、ウイスキーを注いで飲みだしていた。

 

 

 

 

名前は「サントス ブブ ラジ クマール」らしい。「酔っ払うとヨ(酔)ントスになるよ!」とかいうクソつまんない冗談に爆笑しながら夜を明かした。ヨントスのケータイが紛失する事件があったけれど、余りに長いから省略する。結果、見つかった。余談だが、警察に事情を説明しているヨントスは「酒 飲んでないよ!」と言っていた。ヨントスは日本に来て十八年、嫁も子供もいるらしい。そりゃ嘘も上手くなるわ。

 

 

 

 

 

 

ケータイが無くなっている間も、ヨントスはずっと笑いながら飲んでた。「俺は笑顔を絶やさない、お金で笑いは買えない。どうせ死ぬんだ、飲まないより飲んだほうが楽しい!」ってずっと言ってた。なんか筒井マインドに通じるものがあったけれど、ネパール人はそんな感じらしい。そうだよね俺も周りを笑顔にするのは大好きだわ。って思いながら、三時頃、ヨントスのリュックを枕にして寝た。起きたらリュックの中のミックスナッツが粉々になってて、ヨントスは粉薬みたいに飲んでた。ごめん。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨントスの行き先はネパールのカトマンズだったけれど、成都乗り換えらしいから、成都まで僕と一緒だった。なんか、ハプニング続き(四川航空乗れない、ヨントスのケータイ紛失)だったけれど、飛行機逃してよかったとも少し思う。むしろ奇跡的な巡り合わせだな!って感じもした。また明日書くが、ヨントスは成都で飛行機を降りる際も事件に巻き込まれた。なんなら飛行機に乗っている最中も二人でワインを飲みすぎて、CAの偉そうな気品ある人から「もうお出しできません。」と言われた。その返しとして「ウォッカ ナラ イインデスカ?」って言ってた。一瞬で断られていた。ヨントスはどうやら笑いの為なら何でもするらしい。ネパール人も、ウケは好きなんだな。

 

 

 

 

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そんなこんなで4/2(火)

約十二時間のロスをしてしまったが

8:50〜12:50のフライトを終えた。

お別れまでヨントスとご飯を食べ、ラインを交換して抱き合った。いい出会いだ、午後から僕の一人旅が本格的に始まった。空気は悪く、体は痛いが、今こうしてベッドでブログを書けている。無事です。

 

 

 

 

つづく。