×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

筒を鳴らした

 

お疲れ様、筒井です。

 

 

 

『卒業シーズン』

 

 

 卒業シーズンらしい。卒業ラッシュだ。どこを見ても「卒業生」で溢れている。着物って綺麗だなあ。脱がすの難しそうだけど。弊社の裏にはいい具合の女子大があるのだが、卒業シーズンを体現したかのような盛り上がりを見せている。かく言う僕も社会人四年目になる一歩手前で今の会社を卒業をすることになった。月並みな言葉だが、いつになってもお別れは寂しく、出会いにはワクワクするもので、切なさや寂しさなんかはタイミング的に全て春のせいにしているから、ギリギリで実感がない。いや、今日まで無かった。

 

 

 

 会社内で引っ越しがあるらしく、四月からの座席表に「筒井」はいなかった。今日、実感した。当然だ。いたら困る。部長は僕を誰よりも愛してくれた。巷で言う「いい上司」とはヤツのことを言うのだろう。何度も伝えたけれど、世話になりました。今日もいつもと変わらぬ調子で「ここ連絡してみて!」とコッソリ名刺を渡されたが、キャバ嬢の名刺だった。民度の低い会社だけれど、誰よりも空気作りに貢献した。売上はそこについてきた。不思議なもんだ。また、懲りずに僕は頑張ったって話を書いている。褒められたがりが露呈した。まあさ、もうあと二週間なんだし、鼻で笑ってあげてよ。そう、門出は近い。

 

 

 

 

『ぱらぱらり』

 

 

SAKANAMONの曲名であって、僕の中では数ある卒業ソング(謎のカテゴリ)でも群を抜いて気に入っている。歯切れのよい四つ打ちがどうとか、捻れたギターリフがどうと書いてもさして面白くはなく、そもそもサウンドに文章表現を使うのは何か違う。聴いたほうが早いし。

 

 

だらだらと情景描写や相変わらず素っ頓狂な藤森の記憶を辿る歌詞が続き、キメは最後に出てくる。

 

 

 

 

 

帰りたい

 

 

 

 

 

 この一言が、全ての思い出をプラスに変換させている。

 

 

 

そっか、帰りたいんだ。僕らは死ぬほど欲張りだなあ。あれだけ嫌な会社も、学校も、バイト先も、少しでも楽しい思い出があれば浸ってしまう。終わってしまうと美化される。本当に楽しかったことほど、終わりを実感する瞬間に寂しくなる。ありきたりな「花が落ちていく」という様を「卒業」と重ね合わせるセンスは正直そのへんのシンガーソングライターも浮かぶであろう。

 

 

「戻れない」や「もう会えない」とかいう常套句ではなく

 

『帰りたい。』だなんて、真意を突きすぎだ。

 

 

 

僕もいつか、そう思うのかな。