×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

弾丸台湾

 

2時には寝たい。今日は平和な話。

 

 

 少し前だけれど、台湾に行った。初海外の友人二人をアテンドする気満々で僕は少しだけ調子に乗っていた。なんせギリギリの中国語は話せるし、別に台湾には住んでいたわけでもないけれどやはり中華圏はなんだかホームタウンのような気がするのだ。独特の匂いと熱気と僕らが感じたことのない懐かしさがそこにはある。故に僕は調子に乗っていた。乗らざるを得なかった。旅がどうこうというのは、別に今回は一人旅ではないから細かく書くことはない。ただひたすらビールを飲んで、タバコを吸い、タピオカを咀嚼音全開で噛み散らかし、腹が取れて落ちるほど笑った。こんなところじゃないと書けないけれど、何より二人が帰国前「帰りたくない。」と喚いていたのが僕は嬉しかった。基本的に旅行なんて疲れるし、家が恋しくなるのは当然だけれど、今回はそんなことなかった。26歳になる手前で、また一生笑える旅行を作ってしまった。作ってもらった、という表現の方がきっと正しいね。

 

 

 事件は幾つかあったけれど、敢えて一つ書くのであれば僕が観光地の高速バス乗り場にiPhoneを置き忘れてバスに乗ったことだろう。トラブルメーカーはいつだって現れ、大体それは僕に楽しそうに乗り移る。僕はだいぶ昔のiPhoneを使っているせいか、充電が恐ろしく早く無くなってしまう。だからバスの座席にUSBがあると嬉しくて嬉しくて、すぐ挿入してしまうのだ。穴があったら入りたいではなく、入れたい気持ちが抑えきれない。そんな穴を帰りのバスで見つけて、ウキウキしていたのだけれどiPhoneがない。肝心な本体がないのだ。僕と遊んだ人はよく知っているかもしれないけれど、僕は切符や財布も持っていながらもよく失くす。完全にロストするのではなく、どこに何をしまったかを忘れてしまう。そして別に事態を焦らせたもう一つの理由がある。

 

 

 少し話は脱線するが、僕は普段から二人にしょうもない嘘をよくついている。「今日仕事ない。」とか「彼女できた。」とかそのレベルの笑いの一つも起きないけれど、なんかもう「ご飯どこいく?」って気分でこんなどうしようもないラインを投げかけるのが好きだ。そして三人ともそれをよくやっていて、答えを待ってはゲラゲラ笑う。これを僕が多発していた結果どうなるかというと。

 

 

 肝心な時に、信じてくれなくなった。

 

 

 こんなの当然であろう。台湾の高速バスでリアル狼少年が発動したのだ。狼が出たと日頃からラインで騒ぎまくっている奴の家にリアルウルフが出現して「今まさに食べられんとす」という場面になったとて、二人は笑いながらラインを観てるだろう。僕は座席にショルダーバックをひっくり返し、ポケットを漁り、身につけているすべてを確認した後に、松尾くんに話しかけた。

 

 

「ねえ、iPhoneないかも。」

 

 

野口くんもそれを聴いていたが、二人の反応は

 

 

 「出た(笑)」

 

 これに関しては日頃の行いを激しく恨みまくった。同時にそれをニヤニヤしながら言った野口を心の中でボコボコに殴りつけた。脳がビュンビュン回転して、最後にどこで使ったかを巡らせた結果、高速バス乗り場で時刻表を調べたところで記憶が止まっている。乗り始めてからグングンとバスは峠を下っている。まずい。僕は運転手のところまで荷物も持たずに詰め寄り「今すぐここでおろしてくれ。携帯電話を失くした。早く止めろ。下ろしてくれ。早くしろ。」完全に捲し立てた。運転手もさすがに「何言ってんの?止まれないよ。」みたいに言うもんだから俺も「お願いお願いお願いお願い!」攻撃を炸裂させたところ、キレ気味の運転手はドアを開けてくれた。何もない山の中腹くらいで。僕は急いで席の荷物を取り、二人に呼びかけた。「降りるぞ。」まさに戦地へと向かう兵士さながらの緊迫した声を出した。乗客は40人くらい乗っていたが、はぼ全員が日本人だったことにその瞬間気付き、正直、恥ずかしさで撃ち殺して欲しかった。「降りるぞ。」じゃねえよ俺。「ごめんなさい。」だろうが。

 

 

 山を降りている最中にバスを突如降りた僕らは、いろは坂のようなコースをひたすら上まで登る苦行が待っていた。僕は海外だし、半ば諦めかけていたが、後ろから野口がダッシュで登って行ったのを見て、走り出した。こういうのがモテる男なんだなと誤解しそうになったが、野口はモテないからそうとも限らないらしい。そして片やモテる男の松尾くんはと思い、後ろを振り返ると首を斜めにしながらクソだるそうに歩いていた。俺のせいなのにムカついた。笑えた。

 

 

 

 結論、バス乗り場に行くとケータイは無かった。諦めたが、バス乗り場の誘導員?みたいな人に「ケータイ失くしたけど知らない?」と聞いたところ、胸ポケットからケータイが数台出てきた。その中に僕のiPhoneがあった。台湾、最高。治安の良さ、最高。渋谷よりいい。というか金の斧かよ。あなたが落としたのはどれ?風な出し方をしてきた。僕はこのiPhone7です。ありがとう、謝謝。

 

 

 旅にハプニングはつきものらしい。僕は本当に多いが、その分笑ってくれる友人に頭が上がらない。そしてその帰りは散々馬鹿にされた。ただあれだけ探したり、一緒に戻ろう!ってついてきてくれた二人には何も言えず「お前嘘ばっかついてるからわかんねーよ!」と言われても謝ることしかできなかった。いや本当に申し訳ない。特に走って行った野口、かっこよかった。そんな野口はニヤニヤしながら「いやあつついさん、やってくれますねえ♪」と僕のポンコツエピソードに少し嬉しそうにしていた。

 

 

ホテルに到着すると、野口が焦っていた。どうやら毎日つけているネックレスを落としたらしい。写真を見ると確かにさっきの観光地の写真の途中から首元の銀色が消えている。俺はケータイを落とし、野口はネックレスをどこかに失くしてきた。そしてこれはさっきニヤニヤされたカウンターの大チャンスだった。

 

 

 

 

「あのバス乗り場のお兄さん、持ってんじゃね?」

 

 

 

 

「持ってるわけねえだろ!」と全力で突っ込まれたけれど、これにはだいぶ笑えた。松尾だか野口が自分でか「金色になってんじゃね?」って被せてた。

 

 

 ネックレスなんていいじゃない、最後までズルい男だった。いやいや、また行こうね。次は残り二人も連れて、五人で行きましょう。

 

 

そんな身内の話。明日も、明後日も、今週も頑張りましょう。

 

 

 

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美味しいご飯


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夜の街へ(ネックレス紛失後)


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観光客丸出し


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背景なんだろう。


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ブったね。


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夜市、いざ。


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トータル何本飲んだことやら。


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ネオン


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九份


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兄弟


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到着後、すぐ。


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また行こう