×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

絶妙なユーモア

 

最近、これと言って話すことがないことが悩みだ。

 

 

 歳を取れば取るほど、初対面の人との会話に悩むようになった。いや、営業は別なのだ。話すことが決められているからこそ、それらから雑談に派生させることはできる。単純に知らない人とその場で一緒になったとき、何から話せばいいのか全くわからないのだ。例えば友人と遊んでいて、友人のそのまた友人(初対面)と三人で遊ぶようになった時や、合コンなんかにいつか行くかもしれない。(行くどころか呼ばれたこともないのだが)そんな時に趣味は疎か何も共通点が無い場合、リアクションが取りにくくて仕方がない。大した凄さがわからない話をされても大きいリアクションが取れない。関係性構築の前にサーっと興味が身を引いていくのを感じ、気まずい雰囲気が僕から滲み出る。きっとそれ以降会うことはないのだろう。会う必要が無いというのが正しい言い方だろうか。

 

 

 チャラチャラな見た目に高校2年生くらいからなり始めているのはなんとなく自覚があるものの、気づけばナンパもしたことがなく、大学のサークルも入らなかった。(コミュ力不足ということでナンパとサークルを包括しました)これじゃあ自ら世間から距離を置いている「イタイヤツ」じゃないかと思う。正直、こんなことを言ってる人が身近にいると「なんだか面倒な人だな、どうでもいいよ。」と言いたくなる。よく僕は僕を見て「26歳なのにまだそんなことを言っているのか、どうにかしろ!」と怒りたくもなる。さらに面倒なことに僕は別にそう(トゲトゲに)なりたいわけではなく、自然と友達が増えればいいと思っている。思ってはいるものの、誰でもいいわけじゃない。ここまで読んで「なんだよまわりくどいな!シャキッとしろ!」と感じたならきっとそれは大人な証拠です。そして時たま、距離感という3文字を知らないまま大人になった人たちがガツガツと寄ってはくるものの、何故かそういう人たちは気が合わない。一緒にいて疲れてしまう。不思議なことに僕にはそういう人が集まりやすい。

 

 

 先日、仕事終わりに稀に行くお店の店員さんとラインを交換した。彼は僕の家の近くに住んでいて、休日に遊ぶことになったのだ。店員さんから友人になるパターンは珍しいので、少し嬉しかった。そして何より銀座のバーテンダーという肩書きもカッコよくて、知らない世界(夜の世界)に生きる同年代の男ってのが僕をより一層嬉しくさせた。

 

 

 結果、その人はただの賭け事狂いで中身の無い男だった。その上、自分の話が大好きで相席居酒屋に入り浸るような自己陶酔タイプだった。ただなんとなく女の子にモテるからバーテンダーとして勤めており、頭の中はギャンブルと女の子しかないような寂しい(愉快な)人だった。仕事場の彼はそんな素振りは一切無く、余計に辟易とした。そもそも職場と違って自分の話をえらくしたがりで、且つその話が極めて下手糞だった。偏差値や学歴ではなく、どことなく賢さが足りていないその様子は、きっと仕事の中でどんな話にもオーバーにリアクションを取らなきゃいけない、興味を持ってるフリをしなきゃいけない弊害だろう。なんだか全てが薄っぺらい話に聞こえてしまい、僕はそれ以降連絡をしなくなった。別に彼が悪いわけでも、バーテンダーが悪いわけでもなく、僕に彼が合わなかったのだ。人の相性なんて味覚くらい適当なんだから、仕方がないことだ。お互い面白くなろうぜ。

 

 

 そんなことが多い2019年だった。今年はもっと出会いを増やそうとか、誰かを好きになろうとかは無いけれど、合わない人がどうすれば僕にとって面白く感じるのかを探し求めなければいけない。なんだよ偉そうにって感じるかもしれないけれど「つまんない」ばかり唱える男より、ずっと健康的で魅力的だと思う。誰にも気付かれず、誰にもいい顔をして、面白さを引き出せるってのは魅力的じゃありませんかね。自分が面白いと思われるには、相手の面白さを腹の底から手繰り寄せるような絶妙な「ユーモア」が必要なんだろう。

 

 

 

 

 ユーモア、どっかに束で落ちてないかなあ。