×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

図らずも変身

 

「いいことがある」

 

 

自らの人生を自分で切り開いていく人は、きっと日本人でも1%もいないのではないか。大半の人がどのような会社や学歴であろうと「社会的に」正しいとされる就職活動をして、家族を持って、愛情を糧に働く目的を見つけ、流れるように人生を送っていくと見ている。僕の親父もそんな感じだった。そういえばやりたいことなんて昔からあったのか、4年もの期間を大学に費やして、誰も知らないような大学を出て、自分でもよくわからない会社に勤める人生が果たして正解と言えるのか。(余談ですが、定員割れしてる大学なんて潰しちゃえばいいのにね)何が幸せで、何が正しいかを判断するような神様なわけではないけれど、常に今自分が何をしなきゃいけないフェーズなのかは考えていないと、あっという間におじいさんになってしまうようだ。そしてそれでも別によいという考えも、またひとつだ。

 

僕も別に起業などをしたいわけではなく、ただ不変の人生を送ることができればよい。大学の頃、漢文学を専攻していたがこれ程までに『荘子』を研究しておけばよかったと思う日々は無い。ただ宛無く流れるように毎日を送り、明日よりも今日を生きる無為自然な人生観を持った時、何事も苦しまない最強の精神的支柱がそこに生まれるらしい。相変わらずこんなことを書いていると、よからぬ宗教みたいなものをその内勧めてしまいそうで怖い。

 

僕が道を踏み外していたら、こっそり声をかけてください。その頃にはもうそれが正しい道だと信じて、洗脳から醒めることは無いと思うのですが。

 

 

 

 

 

「変身」

 

知り合いが出展するイベントに行ってきた。こういう気が向いたら行く系に最近気が向き始めたのは、非常に僕としては成長を感じている日々でございます。本題ですが、いわゆる作家のたまごみたいな人や、趣味で本や物語を創っている人が自分のスペースで作品を販売する本のフリーマーケットみたいなイベントだった。表現として正しいのかはわかりませんが(失礼なようでしたらすみません)コミケがイメージに近かった。コミケも行ったことないけれど。あれの中規模な小説バージョンだった。

 

購入した本の内容・感想は本人に直接お伝えすべきかとも思うので、どちらかというと僕はそういう働きながらも休日は別の顔を持ち、情熱を燃やせる場所がある人に憧れている。自論ではあるが、そもそも誰しもが「変身願望説」があると思っているので、誰しも休日は別の姿になるようなことに憧れているのではないか。僕らに遺伝子レベルで組み込まれている「戦隊ヒーロー」「女の子ヒロイン」みたいなのは基本変身だ。普段スーツで働きながら、休日はゴスロリファッションに身を包む女性や、営業マンなのに休日は実は趣味でゲーム作ってるとかそんなのでもよい。かっこいい。

 

こちら月月火水木金金で営業なのですが、どこかで変身するタイミングは訪れるのか。カフカ『変身』のように毒虫に変身してしまうセールスマンが頭を過ぎりますが、せめて人の姿のまま、没頭できる何かを見つけたい気持ちにしてくれました。

 

「筒井さんもエッセイ書けばいいじゃないですか!」

 

というゴリゴリの無茶振りをいただき、いつか僕も人様に出せるレベルの何かを素人として出版できたらよいなと少し思いました。普段広告業として無形商材みたいなものを取り扱うことが多く、実際に自分の作ったものに値段をつけて売るという行為がやや怖いんですよね。申し訳なさというか、こんなんでよいのかという不安に駆られたりします。

 

 

ただ、いつか図らずとも僕も変身して「休日作家」みたいなことを名乗れるのであろうか。

いいな、27歳になっても尚「変身」に憧れている。

きっとこれを読んでいる人もそうだ。そうあってほしい。

 

今日も風が強い、夏が来る!

 

それでは。