×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

トライアル

 

バスの後部座席中央に座って帰っている。仕事はたくさん残っているが、一日の引き際を見極めるのも大事(な仕事)だと言い聞かせて帰っている途中だ。やれどもやれども、仕事は溜まる。このご時世幸せなことだとか、この年齢で役職を貰ってるのだからとか、何千通りの言い訳をしながら、どこかで楽しんでる俺を見ながら、月曜日を終える。今日もそれなりに元気だ。なぜなら昨晩もピザを食べたから。

 

 

16歳の頃、何気なく聞いていたpillowsが12年経って確実に刺さるようになってきた。出会ったのはwake up!が発売された頃だから多分2008年とかだと思う。あの頃丁度レーベルを移籍して、avexに行ったから恐らく田舎の学生の僕の耳にも何かしらのPRで届いたんだろう。ありがとう、大手レーベル。全校100人もいない小学校で育ったような小さい町で、俺だけが知っているようなバンドに浸っていた(イキっていた)頃は特に歌詞なんかも気にしなかったけれど、高校に通い、勧める音楽に共感してくれる大事な友達にたくさん出会って、たくさん教えてもらって、大学、社会人となり、もう当時のような感性は確実に消えた僕を燃やすのは当時の音楽しかないことにふと気づくこの頃だ。そして今日、数年ぶりに2012年頃に発売した『トライアル』を不意に聴いた。一体40歳過ぎのおじさんがどんな気持ちでこれを書いたのだろう。

 

ようやく日の目を見た舞台から降ろされるようなプレッシャーや、信じた人たちが離れていくような感覚を経験したことはないけれど、それらが『トライアル』に集約されている気がしてならない。確かに06〜11年頃までに遅れてきた僕のようなファンたち(1989頃デビューだからスピッツミスチルが同期とかだし)が着いてきて、それらがまた離れてしまったのがその頃なんじゃないかな。ポップとオルタナは当時のバンドブーム(多分四つ打ち全盛期)に埋もれてしまった。

 

だからきっと『トライアル』に収録されているリード曲の前「持ち主のないギター」はあんなに暗くて、悲壮感に溢れている。

 

pillowsが素敵なのは、その次のリード曲「トライアル」がこれらの悲壮感から僅かな希望みたいなのを見出しているところで、本当にこういうストーリーのある曲を作るのが上手い。「ハイブリッドレインボウ」と繋がる「雨上がりに見た幻」のように、楽曲を楽曲で伏線回収していく。ぶっ潰れた後の「トライアル」めちゃくちゃ男臭くて痺れる。山中さわおを救うのは、山中さわおの作った楽曲であって、それ以外何もない。クリエイターとして自分の生み出す作品に自分を鼓舞させるなんて、文豪みたいじゃないか…。

 

 

ああ、家に着いた。

トライアル、聴いてください。過去を知れば知るほど、この曲が誰の為に作られたのかというのか理解できるし、曲だけじゃなくて、何度も這い上がるpillowsと山中さわおが好きになる。