部屋に一つだけ観葉植物がある。
基本的に帰ってから昨日食べた晩ご飯の皿を洗い、排水溝を簡単に洗ったり、浴槽を溜めたり、人からすれば面倒なことでもあり、誰もが当たり前にこなしてることでもあり、それらは「日常」と呼ばれ、生活の流れの一部になるまでクソ疲れている日以外は徹底的に「日常」を繰り返す暮らし(矛盾している言葉)が1ヶ月くらい続いている。帰る時間はバラバラなものの、決まった流れを決まった順番通りに淡々とこなしていく。何か生活に変化があれば面白いと思ったのがこの「日常」を作り出すきっかけとなり、実験を始めた。
機械的に動くことで、やらなければならないことには、とにかく気がつく。まるで仕事のようにタスクが徐々にタスクとしての認識が無くなり、皿を洗わずには寝れなくなる。日によっては睡眠時間が相当削られる。一旦様々なデメリットはあるものの、寝るまでにあとどのくらいかかるかという逆算が可能になってきた。そうすると寝るまでの空き時間をどう過ごすかという、社畜全開な少し切ないけれど有意義な考えも生まれてきた。
特に何と比べてという話ではないけれど、仕事は口から血が出るほど忙しい(誰もがそうだろうと僕は思ってます)忙しいということに慣れてくると、更に忙しい何かが発生し、淡々とそれをクリアして、予算と結果を求められ、ただひたすらそれをクリアし続け、会社の期待に応え続ける。そんな中、最近(今週)は明らかに客側のアクシデントが多発しまくり、僕の予算計画や達成までの道が陥没し、まともにそれらをなぞって歩けなくなった。「こんなはずじゃないのに。」という外的要因によるトラブルは結局誰のせいにもできず、いい歳して誰かに当たり散らすキャラクターでもない(本当はしたい)ので、結局どうにかして飲み込むしかない。やるべきことをやっているのに気持ちよくならないというのは、前述の自宅ルーティーンにすごく似ている。
家に帰って洗い物をして、洗濯まで回したりしたにも関わらず無慈悲にも土砂降りになることや、作った飯を床にひっくり返す「想定外」がルーティーンの中で起こると、少なくとも苛立ちは生まれてくる。部屋で「あーーー」と黄昏る。それは事実誰のせいでもなく、天気予報を見なかったことや、変な場所に皿を置いていた私が原因であって、実は未然に防げたような気もしなくはない。きっと仕事のアクシデントみたいなことも実はそうなんだろうと今日思った。というかこうにでも思わないと、納得がいかないくらい理不尽な客の要求が今週は年末が近いということもあってか多すぎた。そんな対応に追われて、結局今日も飲み会を終えたAM1:00より提案書を作る気持ちを整えている。まずは浴槽に浸からなければ始まらない。
ルーティーンを徹底させていく中で、それが明らかに崩れる日は生まれる。そしてそれをどう整理していくかを考えるという流れができる。例え誰かにそれ(目標や目的)を邪魔されたところで、そんな横槍には動じない今まで以上に図太い男になってきた感が最近ある。うまくいかないと機嫌に現れる人は一定数僕の周りにはいるが、もはやその次元はあまりに低く、一暼しただけで素知らぬフリをするくらいのところまできてしまったなと、今日の半端じゃないトラブルを経て感じた。端的に言うと、どうやらこれは若干大人になったくさい。(自分で話してしまっては元も子もないのだけれど)ただ、やはりこれはわりと大人モードだ。
そんなクソ忙しい日々の中でルーティーンをひたすら意識して生きていると、やるべきことだけに目を取られて、無駄なことやどうでもいいことに興味がわかなくなってきてしまう。そうなったらいよいよつまらない人になっている気もして、僕は最近「敢えて何もしない。」という謎ルールを設けたりした。いや、これはつい一昨日くらいからスタートした。若干の気持ち悪さや気分の重たさがあるものの、部屋の観葉植物がカラカラに干からびていることに気づき、水をたっぷりやった。週末に栄養剤みたいなドーピングアイテムも買いに行こうと思っている。
どうやら「生活」や「日常」は非常に難しく、決められたことだけを決められた分やって満足していては、不足しているどうでもいいことに気づけなくなり、無駄なことばかりしていても成長はできず、程よくキョロキョロしながら、楽をして生きることがいいらしい。ただルーティーンが当たり前になれば余裕は生まれ、決められた分のキャパシティがどんどん増えていく、余計なこともできるようになる。今日から一ヶ月くらいはルーティーンを崩さず、敢えてどうでもいいことにこだわることにした。これは「日常」を崩さず、面白さを発見する秘訣なような気がして、ワクワクしている。
だから週末に観葉植物の栄養剤を買いに行き、よくわからないけれど土を入れ替えたりしてあげようと思う。
それでは。
