×××× IN MY HEAD

筒井です。夢はお笑い芸人のままです。

蘇るヒーローの話

たまには、好きな話を書かなきゃいけない

 

 

昔、きっと同じような記事を書いた記憶があるのだけれどそんなことはいちいち覚えていられないので、改めまして。

 

 

前にも書いたように、暗い暗い小学校時代を送ってきた僕は当時流行っていた「某チャット」の「住民」を名乗るネット弁慶だった。その中では強がりも言えたし、嘘もつけた。友達はたくさんできた。お陰で学校へは無心で通えた。ボコボコにされたりしたけどね。まあそんなチャットでオフ会が開催されることとなり、12歳の筒井は千葉県の田舎町から「秋葉原」に向かった。当時は『電車男』らへんの影響もあって僕からしたら秋葉原なんて聖地というか、ドラマの世界だった。

 

そこでの話を書いているだけで数千字も届くような内容なのだけれど、初めてのカラオケも、初めて外で焼肉をしたのもそのオフ会だった。(父親が大の外食嫌いでして…)メンバーも15人くらいいて、有名大学在籍中のショタコンに可愛がってもらっていた。(何もなくてよかったけど、普通に危なかったと思う)

 

初めての秋葉原、初めてのヨドバシカメラということで最上階らへんに焼肉屋があって、その下にタワーレコードが入っていた記憶がある。今もあるのだろうか。当時の僕は「スピッツ」「キンモクセイ」「GLAY」「ブルーハーツ」あたりを聴いており、キンモクセイだけは近所の三つ上くらいのお兄ちゃんがMDに焼いてくれたのを覚えている。『ナイスビート』今でも聴くぞ!

 

そのタワーレコードで特集が組まれていたのが今日ここで書く予定の「MyChemicalRomance」だった。

 

なんかPVを再生する小さいモニターみたいなのと視聴機が置いてあって、名前も知らないけど聴いたその衝撃と言ったらもうとんでもなかった。よく「電撃が走る」という比喩を使うけれど、あれは比喩でもなく完全に視聴機と僕は感電していた。ここで初めて、自分の持っているお金で洋楽のCDを買った。邦楽はポルノグラフィティの「ネオメロドラマティック」のレンタル落ちだったと思う。消せない過去だが、ネオメロもいい曲だ。

 

当時実家ではスカパーを契約していて、頻繁にMCRも流れるようになってくる頃だった。というか、母ちゃんがバンド好きだったのもあって、二人してMCRにハマっていた。そりゃもうルックスもめちゃくちゃかっこよくてさ、なんだあの軍服みたいな、死神みたいな。これこそ「cool」という表現しかなく、狂ったようにハマっていた。当然、母ちゃんも。

 

僕が買ったアルバムは「welcome to the black parade」という厨二感全開のアルバムだったけれど、前作のシングルは僕の唯一の情報源であるスカパーで知り得た。そしてとりわけ「I'M NOT OKAY」のpvがたまらんかった。というか、なんかクラスのいじめられっ子がバンド組んで内輪で盛り上がってるだけの内容に見えてたけれど(歌詞とかわからないし)そこがなんかあれだよね、刺さったんだよね。

 

https://youtu.be/dhZTNgAs4Fc

 

そんないじめられっ子達は次のアルバムで死者と行進をしてるわけで、弱々しい感じは微塵も無く、そこには別世界の「スター」になった彼らがいたわけ。めちゃくちゃ連れがいるの。彼らと一緒に行こうって歌ってんの。これもまためちゃくちゃカッコよかった。ズルいのよ、なんというかそんなTEEN世代の男はね、そういうのが大好きなの。(ドクロのTシャツとかさ…)

 

どうも小説とかでも「成り上がり」みたいなテーマが好きなのはきっとこの頃からだったと思う。権力への反抗じゃないけれどさ。

 

https://youtu.be/RRKJiM9Njr8

 

MCRは破竹の勢いで伝説級のバンドになった。なんかもう宗教じみていたし、後から知ったことだけれどファンが歌詞にヤられて自殺したりもしていた。それだけロックバンドのしての「影響」を持つ象徴になっていた。傍ら、極東の私は中学で洋楽(それこそoasisも、SUM41だったり、FOBだったり)を漁るやや陽キャラに成り上がり(中学デビュー)を果たし、高校でバンドを組んだ。勿論メンバーにMCRをこれでもかと布教した。迷惑だったかもしれない。

 

当時2009頃、MCRはドラムが脱退?したくらいで(記憶が曖昧)活動もだいぶ止まっていた。高校に入ってすぐに新しいアルバムが出たんだけれど、彼らは軍服も着ていないし、KISSみたいなメイクもしていない、なんならボーカルのジェラルドウェイは髪の毛が真っ赤になっていた。変わり果てていた。

 

 

 

「なんだ、MCR変わっちまったな。」

 

 

みたいなよくある文句をつけたくなったけれど、彼らはアメコミを催したスーパーヒーローをコンセプトにして新作を世の中に送り出していた。

 

 

もうね、設定が最高すぎた。

 

 

多感な17歳くらいの僕に、再び刺さった。彼らの歴史を知れば知るほどそれは震えるもので、学校のカースト底辺だった奴ら(PVの中だけど)が、フルメイクをして、死者の世界を行進して、世界中にファンを持つロックスターになって、次はスーパーヒーローになって帰ってきたのかよと。今じゃ話すのも恥ずかしいような内容だけれど、本気でカッコよかった。成り上がりのストーリーフェチの僕はギンギンに反応した。

 

 

そんなMCRはスーパーヒーローになったあと休止をした。めちゃくちゃ寂しかったし、生で見る機会(サマソニ)に行けなかったのも凄く後悔している。まあでも、ヒーローという役割の先に「やりたいことがなくなる」というのはよくある話でもあって、世の中はEDMブームが来たり、僕にはメタルブームが来たりして、スーパーヒーローは過去の思い出になった。

 

 

 

 

MCRが2019年にいきなり再結成した。

 

 

タイミングは悪かった。すぐにコロナが世の中に蔓延して、きっと思うような活動ができてはいないのだろうけれど、そんな未確認ウイルスが出てくるちょっと前に彼らは登場して、僕だけじゃなくファンはめちゃくちゃ感動した。今思えば、計ったかのようなタイミングだった。

 

帰ってきた彼らのTwitterに打ち出したのは、あの頃のコンセプトだった。

 

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12〜18歳頃の僕があれだけ聴いて、あれだけ憧れたスーパーヒーローを生で観れるのを楽しみに生きていける。

 

懐かしいプレイリストを作っていたら、友人からMCRのレコードをプレゼントしてもらい、衝動的に書いてしまった。

 

まあたまにはこんなことも、いいよね。

それでは。