再始動、Galileo Galilei。
30歳手前になって、まだこんなに感動できるんだなと思う。
歳を取ったせいか、過去止まっていた何かが動き出すことにひどく感動を覚える。並々ならぬ力がいることを、うっすら感じ取れるから。こういう感じなのかな?老いるって。
PORTALは高3の頃、ほぼ卒業前。
組んでたバンドもふわふわと無くなりかけていた。相変わらずテナーやNCIS、hiatus狂いだった僕のターニングポイントになったアルバムだ。
いつからかシューゲイザーという言葉を知り、エレクトロポップ、ドリームポップのようなジャンルにズブズブと溺れ始めた。そのきっかけがPORTALだった。きっと過去に似たようなバンドも邦楽史上でも腐る程あったのだろうけれど、ロックバンド熱をギリギリぬるま湯でキープした作品は、新たなジャンルのように感じた。それからMGMTやPASSION PIT、Grouploveなんかを見つけた喜びは、なんというかサブスクでは味わえないなって、また老人地味たことを書いてしまう。当時、歩いて30分コンビニの無いような田舎で彼らを聞いてるだけで鼻高々だった俺は井の中の蛙でしかないけれどね。そして大学に入り、彼らがそこそこメジャーだということを知って砕けるのだ。
世の中に数千万と存在するアルバムコンセプトというものを、ようやく初めて理解した一枚に、思い入れは強い。どんな曲も、どんなバンドも僕の中じゃこのアルバムという「作品」に敵わない。単体ではなく、作品集としての魅力がありすぎる。対抗馬として強いて言うなら「カントリークラブ」かもしれないけれど…。
そしてそのバンドは新卒の頃、竹橋駅直結の某オフィスで解散ライブに行けず、前半だけ放送されるライブ配信をこっそり観ていたことを思い出させる。隣駅の九段下にいるのにと思いながら、有休も取れない状況を恨んだ。
そんな新卒のあのオフィスで止まった時間が今日6年経って、動き出したんだなと思うと、帰り道には感慨深いものがあった。
PORTALから10年。休止から6年。未だにFreudの歌詞は何がどうなのかわからない。こんなに浮いてる曲なのに、むしろシングルの青い栞に違和感を覚えるレベルで馴染んでいる。本当に紙一重のスレスレで「やりたいこと」と「ウケるもの」の渾身の作品という気概が伝わる。
スワンを聴いて寝る。